持ち帰れる作品の高齢者レク|デイサービスで家族に喜ばれる工作アイデアと進め方

介護施設の工作レクというと、まず思い浮かぶのは壁面飾りではないでしょうか。みんなで作って施設に飾る共同作品は、季節感が出て来訪者にも喜ばれます。一方で最近、現場から増えているのが「持ち帰れる作品を作りたい」という声です。実際に「デイサービス 持ち帰り作品 簡単」「高齢者 作品作り」といった調べ方をされる方が、この数か月でぐっと増えています。

この記事では、ご自宅に持ち帰って飾れる個人作品にしぼって、10月〜12月に使えるアイデアと、現場でつまずきやすい運用の工夫をまとめました。準備物・所要時間・声かけ例まで、そのまま使える形で書いています。

なぜいま「持ち帰れる作品」なのか

壁面飾りと持ち帰り作品は、どちらが良い・悪いではなく、役割が違います。持ち帰り作品には、施設に飾る作品にはない3つの効果があります。

1. ご家族との会話が生まれる

「これ、私が作ったのよ」から始まる会話は、ご本人にとってもご家族にとっても特別です。施設での様子は言葉では伝わりにくいものですが、作品が玄関やリビングに一つ置いてあるだけで、通所の時間が家庭の中で可視化されます。

2. ご家族・ケアマネジャーへの説明材料になる

「日中どう過ごしているか分からない」というご家族の不安に対して、作品は言葉より雄弁です。連絡帳に「本日はこちらを作られました。色はご本人が選ばれています」と一言添えるだけで、印象が変わります。ケアマネジャーへの報告でも、写真と一緒に残しておくと具体的な材料になります。

3. 達成感が持続する

施設の壁に貼った作品は、次の季節には外されます。持ち帰った作品はご自宅に残るので、達成感がその日で終わりません。「次は何を作るの?」と次回の通所を楽しみにしていただけるきっかけにもなります。

持ち帰り作品を選ぶ4つの条件

持ち帰り前提の作品には、施設に飾る作品とは違う「選び方の条件」があります。ここを外すと、せっかく作っても持ち帰りの段階でトラブルになります。

  • 壊れずに持ち帰れること:立体で背の高いもの、乾ききらないもの、パーツが取れやすいものは避けます。平たいもの、または自立して安定するものが安心です
  • 家に飾れる大きさであること:目安はA4サイズ以内、または卓上に置ける程度。大きすぎると置き場所に困り、結局しまわれてしまいます
  • 45分〜60分、長くても2回で完成すること:「今日は途中まで」を何度も繰り返すと、次回欠席された方の作品が宙に浮きます
  • 名前を入れられること:裏に日付とお名前を書く欄があると、取り違えが起きません。ご家族にとっても「いつ作ったもの」が分かる記録になります

10月〜12月に作れる持ち帰り作品アイデア

10月:押し葉のミニフレーム(所要45分)

準備するもの(1人分):落ち葉5〜6枚(押し葉にしたもの)/台紙となる厚紙(はがきサイズ)/木工用ボンドまたは両面テープ/画用紙で作った枠/ひも(吊り下げ用)

下準備:落ち葉は本や新聞に挟んで1週間ほど置き、押し葉にしておきます。反り返りを防げて、貼ったときに浮きません。散歩レクで拾ってきた葉を使うと、その日の思い出もセットで持ち帰れます。

進め方:①台紙に葉を並べて位置を決める(貼らずに置くだけ・ここがいちばん楽しい工程です) ②気に入った配置になったら、葉の裏側中央にボンドを少量つけて貼る ③枠を重ねて貼り、裏に日付とお名前 ④ひもを付けて完成。

声かけ例:「まだ貼らなくて大丈夫ですよ。置いてみて、しっくりくるところを探しましょう」「その葉、いい色ですね。どこで拾ったものでしたっけ」

コツ:葉は「たくさん貼る」より「3枚を余白の中に置く」ほうが上品に仕上がります。迷われる方には「3枚だけ選びましょう」と数を決めて差し上げると、決めやすくなります。

11月:紅葉のちぎり絵ミニ色紙(所要60分・2回に分けても可)

準備するもの(1人分):色紙(大きすぎない小色紙が扱いやすい)/赤・橙・黄・茶の折り紙や和紙/のり/下絵(木の幹を薄く描いておく)

進め方:①赤・橙・黄の紙を、指でちぎって1〜2cmのかけらにする(この工程は指先の運動になります) ②幹の周りに、色の濃い順ではなくばらばらに貼っていく ③地面にも数枚散らして落ち葉を表現 ④裏に日付とお名前。

声かけ例:「ハサミは使いません。手でちぎった形がいちばんきれいなんです」「本物の紅葉も、一本の木の中で色が違いますよね」

コツ:ちぎり作業だけを前半(20分)、貼る作業を後半に分けると、集中が続きます。手指に力が入りにくい方には、あらかじめちぎったかけらを用意した箱を回すと、同じ作品を同じペースで進められます。壁面用の共同制作にする場合は、秋の工作レク・壁面飾りアイデアもあわせてご覧ください。

12月:紙皿のミニリース(所要45分)

準備するもの(1人分):紙皿1枚(中央をくり抜いてドーナツ状にしておく)/緑・赤の折り紙/リボン/木の実や毛糸などの飾り/のり

進め方:①緑の折り紙をちぎって、紙皿の輪の部分いっぱいに貼る ②赤い丸(実に見立てたもの)を数個貼る ③リボンを上部に結ぶ ④裏に日付とお名前 ⑤吊り下げ用のひもを付けて完成。

声かけ例:「玄関に掛けると、ご家族が帰ってきたときに最初に目に入りますね」

コツ:紙皿を使うと軽くて丈夫、そして持ち帰りで潰れません。12月は年末年始でお孫さんが帰省される時期でもあるので、「飾る場所」を作りながら聞くと、制作中の会話が広がります。

持ち帰りを気持ちよく運ぶ、現場の工夫

作品そのものより、じつは持ち帰りの運用でつまずくことのほうが多いものです。5つだけ押さえておけば、ほとんどのトラブルは防げます。

  • 持ち帰り袋を先に用意する:作品より少し大きい紙袋を人数分。制作前に名前を書いて席に置いておくと、終了後の混乱がありません
  • 「乾燥待ち」は翌回持ち帰りに:ボンドを使った日は無理をせず、「次回お持ち帰りいただきます」と最初に伝えておきます。あとから言うと残念な気持ちにさせてしまいます
  • 連絡帳に一言添える:「色はご本人が選ばれました」「30分集中して取り組まれました」。作品の説明より、取り組む姿の描写のほうがご家族に喜ばれます
  • 欠席された方の分を取っておく:材料を1セット残しておき、次回に個別で対応。「みんなが作ったのに自分だけ無い」を作らないことが、参加意欲を守ります
  • 写真を1枚撮っておく:持ち帰ると施設には何も残りません。作品と一緒にお顔を撮らせていただくと(ご本人の同意のうえで)、施設の記録としても、ご家族へのお便りとしても使えます

「全員が作りきる」ための難易度調整

持ち帰り作品でいちばん大切なのは、その日のうちに全員が完成させることです。未完成のまま終わると、持ち帰るものがない方が出てしまいます。

そのために有効なのが「工程を減らす」ではなく「工程を分ける」考え方です。ちぎる・並べる・貼る・仕上げる、と役割を分けておけば、手指が動きにくい方は「並べて色を決める」役、細かい作業が得意な方は「貼る」役、というように、同じ作品を全員で完成させられます。レクのネタや進め方に悩んだときは、レクのネタ切れを解消する年間計画の立て方も参考にしてみてください。

人数分の材料を切って袋詰めする時間が取れない、という日もあると思います。そうしたときは、ELLの介護レクキットのように、1人分の材料が袋ごとに分かれて届くものを使うのも一つの方法です。カット済みのパーツで、のりやセロテープを使わずに組み立てられる設計になっており、説明書は大きな文字のA3見開き、作り方の動画も用意されています。要介護3までの方が取り組める難易度で作られているので、「準備の時間はないけれど、全員に完成させてあげたい」という日の選択肢になります。実際の制作の様子は制作風景でご覧いただけます。

まとめ:作品は「施設の外」にも届く

持ち帰り作品は、施設の中で完結しません。ご自宅に届き、ご家族の目に触れ、会話になります。壁面飾りが「施設の季節感」を作るものだとすれば、持ち帰り作品は「ご本人とご家族をつなぐもの」です。月に1回でも持ち帰れる作品の日を入れておくと、レクの意味合いが少し変わってきます。

10月は押し葉のフレーム、11月は紅葉のちぎり絵、12月は紙皿リース。どれも特別な道具は要りません。まずは1つ、次回のレクで試してみてください。

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