東西の布飾り:軸とタペストリー

タペストリーと掛け軸、東西で発展した布飾りの文化を比較します。

東西の布飾り:軸とタペストリー

掛け軸の歴史は、中国で仏教経典を巻物として保存した形がもとになり、日本には飛鳥〜奈良時代に伝わりました。平安期には絵や書を布で仕立てる「表具」の技術が発達し、室町時代に床の間文化が整うと、掛け軸は季節や客をもてなすために掛け替える日本独自の鑑賞様式として定着しました。

一方、タペストリーは西洋で発展し、中世ヨーロッパでは城館の壁を飾る豪華な織物として重宝され、装飾だけでなく防寒・断熱の役割も担っていました。東西で用途や発展の背景は異なるものの、どちらも「布を用いて空間を美しく演出する」という共通点を持ち、生活空間の文化を豊かにしてきました。

現代では、掛け軸の静かな余白の美と、タペストリーの色彩豊かな織りの魅力が並び立ち、日本の住まいに新たな装飾の楽しみとして取り入れられています。

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