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ステンドグラス『朝顔』のトピックス
薬として中国から渡来した“朝顔”
薬となる朝顔の種はとても高価だった
科・属:ヒルガオ科・サツマイモ属 和名:朝顔 英名:Japanese morning-glory 学名:Ipomoea nil朝顔の種には下剤の作用があり、牛と交換されるほど高価なものだったことから、種を『牽牛子(けんごし)』、花は『牽牛花(けんぎゅうか)』と呼び、奈良〜平安時代に遣唐使が持ち帰ってきました。現在でも、下剤や利尿剤として用いられています。
『朝顔』と呼ばれるようになったのは、江戸時代になってからで、それまでは、ヒルガオやシャクヤク、キキョウなどと一緒に『朝に咲く美しい花=朝の容花(かおばな)』と呼ばれていました。その背景には、多種多様に花の形が変化した『変化朝顔(変わり咲きアサガオ)』が誕生し、珍しいものは高値で取引されたことから、植木職人はもちろん、町人から武士までもが、朝顔栽培に熱を入れるほどでした。
こうした『変化朝顔』も残念なことに、先の第二次世界大戦で多くの種子を失いましたが、国立遺伝学研究所によって昭和27年頃から、愛好家によって保存されていた種子を譲り受け、それらの保存、育種が続けられており、江戸時代後期に出現した『変化朝顔』のほとんどを今でも見ることができます。
▲ 朝顔三十六花撰「東都入谷朝顔」 歌川広重